令和2年7月豪雨による災害での民事調停申立手数料の免除
令和2年の7月、豪雨による災害が全国各地で発生しました。
この豪雨による災害に起因する民事紛争については、裁判所に民事調停の申立てをする際に納める申立手数料の納付は現在免除されています。
免除の取り扱いがされる期間は、令和5年6月30日までで、まもなく終了します。
令和2年7月3日(特定非常災害発生日として定められた日)に,災害救助法の適
裁判所ウェブサイト
用区域に住所,居所,営業所又は事務所を有していた方が,令和5年6月30日までに令和2年7月豪雨による災害に起因する民事に関する紛争について調停の申立てをする際には,民事調停の申立手数料を納付することは要しません。
災害救助法の適用区域については,次の内閣府ウェブサイト「内閣府防災情報の
ページ」をご覧ください。
対象区域について
令和2年7月豪雨について、内閣府の防災担当から災害救助法の適用について公表された資料は第1報から11報まであり、当初は適用区域ではなくとも、後に適用区域とされた地域も多くあります。
最終の第11報に記載されている災害救助法の適用区域は、全国で9県(山形県、長野県、岐阜県、島根県、福岡県、佐賀県、熊本県、大分県、鹿児島県)、合計98市町村に適用されることとなっています。
そのため、自分は該当しないのではないかと思っていても実は該当するということもあります。
手数料免除を受けられる方と対象となる民事紛争
免除を受けられる方
令和2年7月3日の時点で、災害救助法の適用区域に住所、居所、営業所又は事務所を有していた方が対象です。
民事紛争の例
豪雨による災害に起因する民事紛争の例としては、以下のような類型が挙げられています。
申し立てられた紛争に災害起因性があり、手数料免除の対象かどうかは、裁判所が判断します。
- 災害により生計・経営状態が悪化したことを理由とする債務整理に関する紛争
- 災害による土砂崩れにより不明確となった土地所有権の範囲を巡る紛争
- 災害による土砂崩れや河川の氾濫により終了した賃貸借契約の敷金返還等に関する紛争
- 災害による事業の閉鎖、経営悪化などを理由とする解雇、雇止めに関する紛争
まもなく3年が経過しますが、時間の経過により、証拠の散逸や時効等の問題も出てきます。
豪雨による災害に起因する解決未了の民事紛争を抱えられる方は、この機会に民事調停の利用を考えられるとよいかもしれません。
注意点
注意点が2点あります。今回対象となっているのは、「民事調停」の「申立手数料」に限ります。
そのため、民事調停ではなく裁判を起こす場合は、手数料の免除が受けられません。
また、民事調停を申し立てる際に手数料とともに必要となる郵券について免除の扱いはありません。