1人で民事調停に行くのが不安な場合は付添をお願いしてもいい?待合室の活用について

待合室を活用しよう

裁判所の利用が初めてという場合、弁護士をつけずに1人で民事調停に行くのが心細いと感じられる方もいるかと思います。

民事調停では、調停室で調停委員と話す前後に申立人待合室や相手方待合室にて待機する時間があります。
相手方が入室している時間が自分の待機時間となり、通常各期日で1回か2回、30分程度の待ち時間は発生します。

この待合室は、ご両親やお子さん、知人など、調停の内容とは関係がない第三者でも自由に入室ができるものです。

1人では不安な場合は、待合室への付添をお願いすることも考えてみましょう。

調停室への入室こそできなくとも、待合室で待機してくれる人の存在は、入室前の不安をわかちあってくれたり、入室後の伝え漏れの指摘をしてくれたり、当日相手方から出てきた要望をすぐに一緒に分析してくれたりと、心強いものとなりえます。

自分だけではその場で結論を出しづらいという場合など、いったん退室し、待合室で待機してくれている人に相談をしてから再度調停室に入室するということもできます。

民事調停の場への同席ができる人

第三者が待合室だけではなく、民事調停の調停室への同席ができることもありますが、民事調停法により一定の要件を満たす場合に限られています。

調停の結果について利害関係を有する者は、調停委員会の許可を受けて、調停手続に参加することができる。

民事調停法11条1項

利害関係とは

民事調停法に定められた「調停の結果についての利害関係を有する者」の例は、以下のようなものです。

  • 貸金を借りた主債務者が貸主から起こされた貸金調停事件における、その貸金についての主債務者の保証人や連帯保証人
  • 土地を借り、建物を建てて第三者に貸している人が土地の所有者から起こされた建物収去土地明渡調停事件における、その建物についての借主
  • 借主を当事者として起こされた建物明渡調停事件におけるその建物の同居人
  • 運転者を当事者として起こされた交通事故調停事件における使用者である会社

前から当事者に問題を相談されていて結果が気になっている、調停の結果がその人の家計に影響を与えると自分にも影響が出てくるため困る、といった事情があっても、調停の結果について利害関係を有する者とまではいえません。

利害関係人が参加しようとする場合は、書類で「利害関係人参加申立書」を提出して調停委員会の許可を得る必要があります。参加の許可は、民事調停記録の一部となります。

調停委員会が利害関係人を参加させることも

利害関係人がいるにもかかわらず参加を申し入れない場合、参加が相当であると認めた調停委員会から利害関係人を調停手続に参加させるということもあります。

調停委員会は、相当であると認めるときは、調停の結果について利害関係を有する者を調停手続に参加させることができる。

民事調停法11条2項