民事調停を申し立てる前には内容証明郵便を送った方がいい?内容証明を送る意味を知ろう

内容証明郵便について

内容証明郵便とは

トラブルになった場合、相手に内容証明郵便を送るという方法があります。
内容証明郵便とは、郵便局で扱うサービスの1つで、一般書留郵便物を差し出した際の文書の内容を証明してもらえるというものです。

内容証明郵便を出しておけば、いつ、どんな内容の書面が誰から誰宛に差し出されたかということを、郵便局が、差出人が作成した謄本1によって証明してくれます。

どんなときに送るのか

時効が迫っているとき

内容証明郵便を送ると、いつ、どんな内容で郵便物を送ったということが記録で残ります。

権利が時効が迫っているときの対処法の1つに、6か月間時効完成を猶予する効果のある催告(民法150条1項)という方法があります。
内容証明郵便で催告を行うことで、時効が完成する前に催告をしたという事実を後から証明でき、時効完成の有無について争われるリスクがなくなります。

法的効果が発生したことを証拠で残したいとき

契約の解除や相殺といった意思表示による法的効果が発生したことを証拠で残したいときには内容証明郵便が役立ちます。

加えて、債権譲渡は、債務者や第三者への対抗要件として、確定日付のある証書によって通知又は承諾を行うことを要求しており(民法467条1項、2項)、内容証明郵便はこの確定日付のある証書にあたります。

相手にプレッシャーをかけたいとき

また、内容証明郵便は、普通郵便のようにポストに投函されるのではなく、書留郵便物として届けられます。

内容証明郵便それ自体は郵便の一種で、履行の強制力などはありませんが、普段の生活では受け取ることの少ない書留郵便物を受け取ることで、相手が、きちんと支払いをしなければ、対応しなければという事実上のプレッシャーを感じるという効果もあります。

内容証明郵便を出す場合の留意点

配達証明をつける

内容証明郵便を出す場合は、必ず書留郵便のサービスとなりますが、配達証明を付けるかどうかは任意となっています。

配達証明をつけると、相手方に到着した日の記載されたハガキが配達局から送付されますが、このハガキにより書留郵便物が相手に配達されたという事実が証明できます。

そのため、内容証明郵便を出す場合、配達証明もつけることが重要です。また、ハガキも内容証明の謄本とともに保管しておきましょう。

電子内容証明がおすすめ

内容証明郵便は、郵便局の窓口で出すこともできますが、どの郵便局でも出せるというわけではなく、出せるのは、集配郵便局および支社が指定した郵便局に限られています。
また、内容証明の利用には、字数や行数について制限があり、訂正や挿入、削除する場合は字数を記載して押印する必要があったり、2枚以上にわたる場合はつづり目に契印をする必要があるなど、細かな条件が課されています。

窓口よりもおすすめの方法はe内容証明(電子内容証明)です。

e内容証明は、郵便局が提供しているサービスで、Wordファイルで作成でき、印を押す必要はありません。
作成した文書をインターネットでシステム上にアップロードすれば、郵便局がの完全自動化された機械で、印刷・照合・封入封かんし、内容証明郵便として発送してくれるというものです。

民事調停の前に送る必要があるか

民事調停の前に送る意味

まず内容証明を送って、相手が対応しなければ民事調停を起こすことをすすめられることがあります。
これは、内容証明郵便は自分で一方的に送ることができ、民事調停よりも手軽だからです。

とはいえ、民事調停の前に必ず内容証明郵便を送る必要があるわけではありません。
時効の点をおくと、民事調停前に内容証明を送るというのは、相手に履行のプレッシャーをかけるひとつの手段という位置づけとなります。

送らない方がいい場合も

民事調停前に内容証明郵便を送らない方がいい場合もあります。

たとえば、紛争の相手方と友好関係を保ちたい以下のような事案です。

  • 近隣トラブル
  • 遠い親族同士の貸金などの民事トラブル
  • 子どもの同級生同士のトラブル

民事調停で第三者を交えた話し合いをしましょうということになっていたのに、いきなり内容証明郵便で請求が届くと相手も驚き、かえって感情を害してしまうことがあります。

相手に履行のプレッシャーをかける意味がないときは、あえて内容証明郵便を民事調停の前に送る必要はありません。

脚注

  1. 出した内容である文書を謄写(コピー)した書面で、差出人と郵便局が保管します。