弁護士に相談や依頼した方がいいかどうか迷っています。
法テラスという言葉をよく聞きますが、どんなものでしょうか?
法テラスは、経済的に困難な状況の方でも法的トラブルを解決できるように国が設立した機関です。
一定の要件を満たす場合、弁護士の無料法律相談を受けられますし、依頼する場合も通常より費用を抑えることができ、分割払いが使えます。
法テラスが使えるのであればまずは相談してみるといいでしょう。
法テラスは公的機関!
法テラスは、国に設立された法的トラブル解決のための総合案内所です。
弁護士を頼むことが経済的に困難な状況で法的トラブルに直面した場合には強い味方です。
法テラスを利用することで、無料で弁護士の法律相談を受けることができ、依頼の際の弁護士費用を抑えることができるからです。
また、法テラスからは、解決に役立つ法制度の紹介や、弁護士会、司法書士会、地方公共団体、消費者団体など適切な相談窓口の案内を受けることもできます。
身近な法的なトラブルに直面した場合、法テラスの定める資力基準を満たすのであれば、まずは法テラスに問い合わせて、弁護士に無料相談をすることが問題解決のための大きなステップになりえるものです。
無料相談には要件がある?
法テラスの定める一定の収入や資産要件を満たす場合、1つの事件について、1回30分程度で3回までの無料での法律相談が受けられます。
同じ弁護士に3回相談をしてもいいですし、最初相談した弁護士との相性が合わなかったり、専門分野が違うなどの理由で依頼を引き受けてもらえなかった場合、残りの回数で違う弁護士に相談することもできます。
30分という時間でも、予め要点や時系列、聞きたいことををまとめることで、有効に活用することができます。
相談の際は、契約書や領収書、相手とのこれまでのやりとりなど、資料があれば全て持参した上で相談すると弁護士に重要なポイントを確認してもらえます。
資力要件を満たしても、法テラスの無料法律相談は利用することができないこともあります。
相談したい内容が、報復的感情を満たす目的のためだったり、権利濫用的な訴訟であると判断された場合などは、民事法律扶助の趣旨に沿わないため利用できません。
刑事事件以外は相談できる!
民事事件(人と人、会社と人など私人間の紛争で、世の中の多くの事件は民事事件です)、家事事件(離婚や親権、養育費など家庭に関する紛争)、また、国や地方公共団体といった行政に関する幅広い問題について、法テラスを利用した相談が可能です。
刑事事件の相談は対象外です。
相談弁護士は選べる!
法テラスには、全国各地に地方事務所が存在しており、最寄りの法テラス地方事務所に予約することで弁護士への相談ができます。この場合は、地方事務所にいる弁護士が相談の担当者となり、自分で弁護士を選ぶことはできません。
もう1つの方法としては、法テラスに対応している契約弁護士を自分で探すこともできます(契約弁護士から法テラスへの事件の持込)。
全国で23,000人以上の弁護士が法テラスと契約しているため、地方事務所よりもアクセスが便利な場所に法律事務所があったり、自分の相談分野に詳しそうな弁護士が法テラスの契約弁護士だった場合はこちらがよいでしょう。
この場合、法テラスに法律相談の予約を取るのではなく、自分で直接その弁護士の事務所に連絡を入れ、「民事法律扶助制度を利用して相談したい」と法テラス利用の旨を伝えて法律相談の申し込みをします。相談場所は、通常その弁護士の事務所となります。
相談したい弁護士が法テラスの契約弁護士かどうかは、法テラスの地方事務所によっては契約弁護士の名簿一覧が提供されており、名簿から確認ができます。
法テラスホームページのサイト内検索で、「契約弁護士 ○○(地域名)」と検索することで、お近くの法テラス地方事務所管内で契約弁護士の名簿を見つけることができます(東京の多摩地域以外など、一部名簿のない地域もあるようです)。
また、法律事務所のホームページに法テラス取扱いの有無が記載されていることもあります。