特定調停とは?弁護士をつけなくてもできる債務整理の方法

特定調停のメリット

特定調停の主なメリットは以下のような点です。

費用が安い

特定調停の原則的な申立費用は、債権者1社あたり500円、郵便切手も1社あたり数百円程度です。
債務整理を弁護士に依頼すると最低でも数万円の弁護士費用が必要となることを考えると、これは破格といえます。

任意整理と同様のメリットを享受できる

以下のようなメリットを任意整理と同じように享受できます。

  • 利息制限法所定の制限利率による引き直し計算がされる
  • 手続の対象とする債権者を選ぶことができる
  • 取り立てが止まる

特定調停のデメリット

他方、以下のような点には注意する必要があります。

取り立てが止まるまでに時間がかかる

特定調停を利用した場合、取り立てが止まるのは、申立書が裁判所に受理されてからのことです。
そのため、債権者からの督促で既に困っており、今すぐに取り立てを止めたい場合は、特定調停の手続よりも弁護士に依頼する方が適切でしょう。

差し押さえを受けやすくなる

特定調停が成立したり、調停に代わる決定が得られた場合、その内容は裁判での判決と同じ効果を持ちます。
そのため、成立内容や決定内容通りに支払いができなくなった場合、債権者から調停調書によって直ちに給料の差押えなどの強制執行がされてしまうことがあります。
この点は任意整理にはないデメリットです。

管轄の問題

特定調停は、債権者の住所地の簡易裁判所に申し立てることが必要です。債権者が複数いる場合は、どの債権者の住所地の裁判所でもよいため、一番近い債権者の住所地を選ぶことができます。
しかし、地方に在住しており債権者の住所地がすべて遠方であるような場合は、特定調停の手続を利用することが困難となります。

調停が成立しない可能性

特定調停の申立てをしても、返済計画に無理があったり、長期となる場合、調停委員会から取り下げを勧告されたり、債権者が同意せずに調停が成立しない可能性があります。